田舎暮らしの魅力は、なんと言っても都市の喧騒から離れて、自然と一緒に暮らせることですよね。緑がいっぱいの風景や四季折々の美しさ、そして新鮮な空気が、毎日の生活に癒しと豊かさをもたらしてくれます。それに、地域の人たちと深くつながったり、地元の伝統や文化を体験できるのも田舎ならではの楽しみです。さらに、自分で野菜を育てる家庭菜園を楽しむことで、自給自足の喜びも感じられます
今回は田舎暮らしの生活費などのお金の話をします。
これから田舎で生活したい人はぜひ参考にしてみてください
■都会と田舎の生活費の違い
田舎暮らしの生活費は、都会に比べてかなり安くなることが多いんですよ。まず、住居費が大きく違います。都会では高い家賃や住宅購入費用がかかりますが、田舎では比較的安い物件が多く、古民家を買ってリノベーションする場合でも、トータルコストは都会の新築マンションに比べて安く済むことが多いんです。
さらに、光熱費も田舎ならではの工夫で節約できます。例えば、薪ストーブやソーラーパネルを使うことで、電気代やガス代を抑えられますよ。交通費についても、都会では公共交通機関の利用が多いですが、田舎では車の維持費が主なコストになります。
食費も、地元の新鮮な食材を直接買ったり、自分で野菜を育てたりすることで、大幅に節約できます。田舎ならではの食材の豊かさとそのコストパフォーマンスは、都会ではなかなか味わえません。
通信費についても、田舎でもインターネット環境が整ってきているので、リモートワークも十分可能です。都市部と比べて通信費が特別安いわけではありませんが、全体的な生活費のバランスを考えると、田舎暮らしは非常にコスパが高いと言えます。
■田舎暮らしの生活費の内訳
住居費
古民家の購入や賃貸にかかる費用は、都会に比べてかなりお得です。たとえば、都会では高いマンションの家賃や購入費用がかかりますが、田舎では古民家を安く手に入れることができます。築年数が古い物件でも、リノベーション次第で素敵な住まいに変わる可能性があります。また、田舎では広い土地が付いた物件が多く、庭で家庭菜園を楽しむこともできます。賃貸の場合でも、都会のワンルームの家賃で、田舎では広々とした古民家に住むことができることもあります。リノベーションや修繕のコストを考慮しても、全体的な費用は都会に比べてかなり抑えられます。
購入費用: 地域によりますが、古民家は200万円から800万円で購入可能です。物件の状態にもよりますが、0円で譲渡してもらえることもあります。
■リノベーション費用とその内訳
古民家を購入した場合、リノベーション費用が必要です。
- 構造補強: 100万円~300万円。例えば、屋根の補強や壁の補強が含まれます。
- 屋根・外壁の修繕: 50万円~200万円。瓦屋根の修繕や外壁の塗装が該当します。
- 内装工事: 100万円~400万円。例えば、畳の交換やフローリングの設置。
- 水回り設備(キッチン、バス、トイレ): 50万円~200万円。新しいシステムキッチンの設置や風呂場の改修が含まれます。
- 電気・配管工事: 30万円~100万円。電気配線の更新や配管の修理が必要です。
トータルでリノベーション費用は300万円から1000万円程度になります。
電気、水道、ガスの費用
田舎では光熱費を抑えることができます。
- 電気代: 月々5,000円~10,000円。夏季と冬季で異なることが多いですが、平均的にはこの範囲です。
- 水道代: 月々2,000円~4,000円。井戸水を利用する場合はもっと安くなります。
- ガス代: 月々3,000円~6,000円。プロパンガスを利用する地域が多いです。
自然エネルギーの活用(薪ストーブ、ソーラーパネル等)
自然エネルギーを活用すると、長期的に光熱費を節約できます。
- 薪ストーブ: 本体価格10万円~50万円、設置費用5万円~15万円。薪の費用は年間1万円~3万円程度。例えば、地元の森で採取した薪を使用すると、コストはさらに低くなります。
- ソーラーパネル: 設置費用50万円~150万円。例えば、5kWシステムの設置で月々3,000円~10,000円の電気代を節約できます。
車の維持費
田舎では車が必需品です。
- ガソリン代: 月々10,000円~20,000円。例えば、週に1回の買い物や通勤でこれくらいかかります。
- 自動車保険: 年間40,000円~80,000円。車種や契約内容によって異なりますが、一般的にはこの範囲です。
- 車検・メンテナンス費用: 年間50,000円~100,000円。車検は2年に1回必要で、その費用はおおよそ100,000円程度です。
公共交通機関の利用状況と費用
田舎では公共交通機関が少ないため、利用頻度は低いです。
- バスや電車の定期券: 月々3,000円~10,000円。地域によって異なりますが、例えば、長距離通勤の場合、毎月10,000円程度かかることがあります。
食費と自給自足
田舎では、新鮮な地元の食材をお手頃な価格で手に入れることができます。たとえば、近くの農家から直接野菜や果物を買ったり、地元の市場や道の駅で季節の食材を手に入れることができます。これらの場所では、スーパーよりも新鮮で安価な食材が揃っていて、地元の特産品や手作りの食品も見つけられます。また、地元の人たちとの交流を通じて、お裾分けをもらうこともあるかもしれません。自分で家庭菜園を作って、野菜やハーブを育てるのも楽しみのひとつです。こうした方法で、都会では味わえない新鮮で美味しい食材を安く手に入れることができます。
- 地元市場や直売所: 4人家族で月々10,000円~20,000円。例えば、新鮮な野菜や果物が1ヶ月で10,000円程度で購入できます。
- スーパー: 月々20,000円~30,000円。都会のスーパーと比べて価格は若干安いです。
生活費のまとめ
これらの費用を合計すると、田舎暮らしの生活費は以下のようになります。
- 住居費(賃貸): 月額3万円~10万円
- 光熱費: 月額1万円~2万円
- 交通費: 月額1.5万円~3万円
- 食費: 月額3万円~5万円
- 通信費: 月額1万円~1.3万円
トータルで月々の生活費はおおよそ10万円~20万円程度です。都会に比べて経済的に余裕のある生活を送ることが可能です。
都会に住む場合と田舎に住む場合の生活費の比較についてはこちらの記事を参考にしてください。
田舎暮らし、都会暮らしの生活費の比較!向いてる人向いていない人
■田舎暮らしのメリットとデメリット
・メリット
豊かな自然環境
田舎暮らしでは、四季折々の風景を楽しみながら、季節ごとの自然の美しさに癒されます。春には桜や菜の花が咲き誇り、夏には青々と茂る木々と清流が心を落ち着けてくれます。秋には紅葉が鮮やかに彩り、冬には雪景色が幻想的です。
朝の散歩で清らかな空気を吸いながら、森や川辺を歩くと、日々の疲れがリフレッシュされます。鳥のさえずりや川のせせらぎを聞きながら、自然の中でのんびりと過ごす時間は、心身ともにリフレッシュするのにぴったりです。季節ごとに変わる景色を楽しみながら、田舎の自然と触れ合うことで、毎日の生活が豊かになります。
健康的な生活
田舎暮らしでは、庭仕事や農作業を日常的にすることで、自然と体を動かす機会が増えます。例えば、朝に庭で花や野菜の手入れをしたり、草むしりをすることで、自然な運動になります。家庭菜園では、自分で育てた野菜を収穫する喜びも味わえます。無農薬の新鮮な野菜を育てることで、健康的な食生活を実現できます。
トマトやキュウリ、ナスなど季節の野菜を育てるのは楽しいですし、収穫した野菜を使って料理をするのも充実感があります。さらに、土いじりをすることでストレス解消にもなります。庭や畑で過ごす時間が、心身の健康に良い影響を与えてくれるのも、田舎暮らしの魅力です。
地域社会との強い繋がり
田舎では、地域のイベントや行事に積極的に参加することで、住民同士の絆が深まります。地元のお祭りや収穫祭は特に楽しいイベントで、地域の伝統や文化を体験しながら、住民と交流する絶好の機会です。例えば、夏のお祭りでは、地元の神輿を担いだり、盆踊りを楽しんだりすることができます。
秋には収穫祭があり、地元の新鮮な農産物を味わったり、手作りの料理をシェアしたりすることができます。こうしたイベントでは、子供からお年寄りまでが一緒に楽しみ、地域全体が一つになる温かさを感じられます。また、ボランティア活動や地域のクラブに参加することで、さらに深い交流が生まれ、地域社会の一員としての充実感も得られます。
生活費の節約
田舎暮らしでは、住居費や食費が都会に比べてかなり安く抑えられます。例えば、古民家を月5万円で借りることができ、広々とした住まいを手に入れることができます。さらに、自家菜園で野菜を育てることで、食費を月1万円程度に抑えることも可能です。
自分で育てた野菜は無農薬で新鮮なので、健康的な食生活を楽しめます。トマトやキュウリ、レタスなどを育てることで、季節ごとに違った野菜を楽しむことができます。さらに、余った野菜は保存食にしたり、近所の人と交換したりすることもできます。こうした工夫によって、食費を節約しながら、豊かな食卓を実現できます。
自然エネルギーの活用
田舎暮らしでは、薪ストーブやソーラーパネルを利用することで、光熱費を大幅に削減できます。例えば、ソーラーパネルを設置すれば、月々の電気代を約3,000円に抑えることができます。これにより、電気代を気にせずに快適な生活を送ることができます。
薪ストーブは、冬の寒さをしのぐのに最適です。薪を自分で調達すれば、暖房費もかなり節約できますし、薪の燃える香りや音が家の中に温かみをもたらします。さらに、薪ストーブは料理にも使えるので、一石二鳥です。
ソーラーパネルの導入で得られる再生可能エネルギーは、環境にも優しい選択です。晴れた日には、自家発電で家電製品を動かし、余った電力を蓄電しておけば、曇りの日や夜間にも安心です。こうした工夫で、光熱費を抑えつつ、快適でエコな暮らしが実現できます。
・デメリット
交通の不便さ
田舎暮らしでは、公共交通機関の便が少ないため、車が必需品になります。たとえば、最寄りのスーパーまで車で30分かかることも珍しくありません。そのため、週に一度のまとめ買いが必要になります。
週末にリストを作って買い物に行くことで、効率よく必要なものを揃えられます。車での移動は、荷物をたくさん持ち運べるので便利ですし、ついでに他の用事も済ませることができます。また、ドライブがてら風景を楽しんだり、地元の小さな店や直売所に立ち寄って、新鮮な食材や手作りの品を見つける楽しみもあります。
こうした工夫で、車が必須な田舎暮らしも快適に過ごせます。
医療サービスの利用が難しい
田舎では、近くに大きな病院がないため、緊急時の対応が遅れる可能性があります。例えば、病院までの距離が遠く、通院に1時間以上かかることもあります。
そのため、健康管理には特に気を使う必要があります。予防接種や定期健診は計画的に行い、体調の変化に敏感になることが大切です。また、緊急時に備えて救急キットを用意しておくと安心です。地元の小さなクリニックや診療所を利用することで、日常的な健康管理や軽い病気の対応は比較的スムーズに行えます。
こうした工夫をすることで、田舎での健康リスクを軽減し、安心して暮らすことができます。
季節ごとのコスト変動
田舎暮らしでは、冬には暖房費、夏には冷房費がかかります。例えば、冬の暖房には薪ストーブを使うことが多く、薪の費用が年間で約2万円ほどかかります。
古民家で暮らす場合断熱加工がされていないと冷暖房のエネルギーを多く使う必要があります。リノベーションで断熱加工することもできるので詳しくは下記の記事で紹介してます。
自然災害への対応
田舎暮らしでは、台風や大雪などの自然災害によって、修理費用や避難費用がかかることがあります。例えば、台風で屋根が壊れた場合、修理費用として30万円ほど必要になることもあります。
こうした災害に備えて、保険に加入しておくことが大切です。また、定期的に家の点検やメンテナンスを行うことで、被害を最小限に抑えることができます。避難経路や緊急時の連絡先も確認しておくと安心です。
自然災害が起きた時のために、非常用の備蓄品を用意しておくことも重要です。こうした準備をしておくことで、災害が起きた時でも落ち着いて対応できるようになります。
もちろん災害区域外の物件もあるので、そういった物件を探すのもいいですね
自家栽培の制約
冬になると自家栽培が難しくなるため、食費が増えることがあります。例えば、冬季には地元市場で野菜を買う必要があり、そのために月々の食費が2万円ほど増加することもあります。
冬の間は、地元の市場で新鮮な野菜を購入することになりますが、季節の野菜をうまく取り入れることで、美味しくて栄養価の高い食事を続けることができます。また、保存食や缶詰を上手に活用することで、食費の増加を少しでも抑えることができます。
こうした工夫をしながら、冬の食生活を楽しむことができます。
田舎暮らしのメリットとデメリットをしっかり理解して、自分に合った生活スタイルを見つけることが、成功のカギになります。田舎暮らしを始める前に、これらのポイントをよく考えて、計画的に準備を進めることが大切です。
■田舎暮らしの実践例
- インタビュー対象者: 山田一郎さん(仮名)、40歳
- 居住地: 長野県の山間部
- 家族構成: 妻(38歳)、子供二人(小学生)
1. 住居費
- 購入費用: 古民家を500万円で購入。
- リノベーション費用: 600万円(内訳: 構造補強200万円、屋根修繕100万円、内装工事200万円、水回り設備100万円)。
- 月々の費用: 固定資産税や保険料等で月額2万円。
2. 光熱費
- 電気代: 月々8,000円(ソーラーパネル設置により節約)。
- 水道代: 月々3,000円(井戸水使用)。
- ガス代: 月々5,000円(プロパンガス利用)。
- 薪ストーブの費用: 年間3万円(薪の購入費用)。
3. 交通費
- 車のガソリン代: 月々15,000円(片道30分の通勤や買い物に使用)。
- 自動車保険: 年間6万円。
- 車検・メンテナンス費用: 年間8万円。
4. 食費
- スーパー・地元市場: 月々25,000円。
- 自家菜園: 初期費用2万円、月々の維持費3,000円(野菜の収穫により食費節約)。
5. 通信費
- インターネット費用: 月々5,000円(光回線)。
- 携帯電話費用: 月々7,000円(家族全員分の格安SIM)。
6. その他の費用
- 教育費: 月々2万円(塾や習い事の費用)。
- 娯楽費: 月々1万円(地域のイベント参加や家族のレジャー)。
生活費の詳細な内訳
山田さんの月々の生活費合計
- 住居費: 20,000円
- 光熱費: 16,000円
- 交通費: 25,000円
- 食費: 25,000円
- 通信費: 12,000円
- その他の費用: 30,000円
- 合計: 128,000円
感想
「田舎に引っ越してから、都会の生活費に比べてかなり節約できるようになりました。特に、食費や光熱費は自給自足や自然エネルギーを活用することで大幅に抑えられます。地域の人々との繋がりも深まり、精神的にも非常に豊かに感じています。ただし、交通費や冬季の暖房費が少し高くなることがあるので、その点は計画的に予算を組むことが必要です。総じて、田舎暮らしは非常に満足しています。」
■まとめ
田舎での生活費で大きく違うのは住居費用と交通費、食費です。
家は格安で広い家に住むことができますが、車の費用が大きくかかる場合があります。私は通勤で毎日80Km運転しているのでガソリン台だけでも15000円ほどかかります。ハイブリットの車なので燃費はいい方です。
リモートワークだとこの辺の費用は大幅にカットできますね!
食費も安い実感はあります。商品にもよりますが田舎のスーパーの物価は安いです。
総合的に見ても田舎は生活費が安くなる傾向にあるので是非参考にしてみてください。