古民家リノベーションの費用相場と価格別でできること

古民家をリフォームして生活するのって魅力的ですよね。

そんな古民家リフォームですが、多くの人が直面する疑問は「どのくらいの費用がかかるのか?」ということでしょう。

この記事では、費用相場を価格別に詳しく解説し、それぞれの予算でどのような改修が可能かを探ります。少額の予算で基本的なメンテナンスを行う方法から、大規模なリノベーションプロジェクトに必要な費用まで、具体的な工事内容も含めてご紹介します。

コストを抑える方法も紹介するのでぜひ最後まで読んでくださいね!

■小規模な改修:ちょっとした修繕

費用範囲: 50万円〜300万円

具体的な工事内容:

外壁の塗り替え: 約100万円。色あせやひび割れが生じた外壁を修正し、防水性と外観を改善。

床の補修: 50万円〜150万円。床板の一部を交換し、きしみ音の除去や断熱性の向上を図ります。

屋根の瓦の調整と補修: 約200万円。漏水防止と耐久性向上のための瓦の調整や交換。

事例: 静岡県の70年代の古民家で、外壁と屋根の塗り替えを行った事例があり、総費用は約250万円でした。

■中規模なリノベーション:機能更新と空間の再配置

費用範囲: 500万円〜1,500万円

具体的な工事内容:

全室の電気配線の更新: 約300万円。安全規格に合わせた最新の配線への更新。

キッチンの全面改装: 700万円〜1,000万円。設備の近代化、カウンタートップの交換、新しい家電の設置。

バスルームのリフォーム: 500万円。防水性の向上、モダンな浴室設備への交換。

事例: 埼玉県の100年を超える古民家で、キッチンとバスルームのリノベーションを行い、快適性と機能性を大幅に向上させた事例があり、総費用は約1,200万円でした。

■大規模な改造:全面的な再生と現代風に変更

費用範囲: 1,800万円〜5,000万円以上

具体的な工事内容:

耐震補強: 1,000万円〜2,000万円。耐震性など構造的な補強を含む安全性の向上。

間取りの全面改変: 1,500万円〜3,000万円。家族のライフスタイルに合わせた間取りへの変更。

高度なエネルギー効率化: 500万円〜1,000万円。断熱材の追加、高効率の暖房システムの導入。

事例: 広島県の200年前の古民家を、現代的な住宅兼ギャラリーとして再生した事例があり、総費用は約3,500万円でした。

■その他の費用面での追加要素

リフォームの手数料、管理費関係

説明: リフォームの管理費は、全体の工事費用の10%程度が一般的です。これにはプロジェクトマネージャーや施工管理技士の費用が含まれ、計画の策定から実行、完了までのすべての段階を管理します。

設計費

説明: 設計費は通常、プロジェクト全体費用の5%〜15%の間で発生します。これには建築士やデザイナーが行う詳細な図面の作成や、リフォームに必要な機能要件の組み込みが含まれます。

申請・許認可費用

説明: 古民家のリフォームには、特定の地域での建築基準の遵守や歴史的建造物の扱いに関する許可が必要な場合があります。これらの許認可に関わる費用もプロジェクト費用に含める必要があります。費用は地域やプロジェクトの性質によって異なり、数万円から数十万円が一般的です。

予想できないリスクへの対策

説明: 古民家は予期せぬ損傷や必要な補修が発覚することがあります。そのため、総予算の10%〜20%を予備費として設定することが推奨されます。古い家だからこそ余裕を持った予算を組みましょう。

古民家リノベーションについて予算別にまとめた記事もあるので是非参考にしてください。

【古民家リフォーム】予算100万円でできること!具体例まで紹介

【古民家リフォーム】予算500万円でどこまでできる?具体例まで紹介

【古民家リフォーム】予算1000万円でどこまでできる?具体例まで紹介

■物件の現状と必要な改修作業

構造的な問題

古民家はしばしば基礎や梁の老朽化が進んでいます。たとえば、基礎が石積みの場合、地震対策としてコンクリートでの補強が必要になることがあります。このような補強作業には、500万円以上かかることも少なくありません。

屋根の状態

屋根が葺き替え必要がある場合、瓦屋根の葺き替えコストは一般的に1,000万円程度となります。これは新しい瓦の購入と、古い瓦の撤去処理の両方を含む価格です。

事例: 福井県の150年前の古民家では、腐食が進んだ木材の交換と基礎の補強に約700万円のコストがかかりました。

屋根のリフォームについて具体的な記事があるので是非参考にしてみてください。

古民家の屋根のリフォーム、費用相場と素材のメリットデメリット

■材料費でコストを削減する方法

リフォームに使用する材料はコストに大きく影響します。たとえば、伝統的な木材を使用する場合と、耐久性に優れた新しい合成材料を使用する場合では、コストが大きく異なります。伝統的な材料の方が高価であることが一般的ですが、その風合いや歴史的価値を重視する場合は避けられません。

コストを抑えるためには、再利用可能な材料を積極的に使用することが効果的です。また、地元の材料を利用することで、輸送コストを削減し、地域経済にも貢献することができます。

古民家リノベーションについて、プロに任せる工事と自分たちでできる工事をまとめた記事も是非参考にしてみてください。

【素人】古民家リノベーション、DIYでできることプロに任せるべきとこ

■補助金や助成金の活用方法

古民家リフォームを計画する際には、国や地方自治体から提供される補助金や助成金を活用することで、大幅なコスト削減が可能です。ここでは、支援制度の種類、具体的な申請条件について詳しく説明します。

国や地方自治体からの支援制度

全国的な支援: 「伝統的建造物群保存地区の活用促進事業補助金」など、国が定める保存重要建築物のリフォームに対して補助金が提供されます。これは、文化財としての価値が高い建物を対象としています。

地方自治体の支援

地方自治体によっては、地域の景観保護や活性化のために、古民家のリフォームに補助金や助成金を出している場合があります。例えば、「古民家再生助成金」などがそれに当たります。

具体的な支援金額

一般的にはリフォーム費用の20%から50%が補助されるケースが多いです。上限額は制度によって異なり、50万円から数百万円の範囲で設定されています。

■私たちの補助金の事例

私たちも補助金を活用しました。物件の条件的に耐震検査の補助金は申請できなかったのですが、リフォーム補助金で150万円の補助を受けました。

申請方法は決して簡単とはいえませんし、かなり面倒でしたがなんとか補助してもらいました。

■リフォームを始める前に知っておくべきこと

古民家リフォームを計画する際には、事前に準備しておくべき重要な点がいくつかあります。リフォームを始める前に押さえておくべきポイントを詳しく説明します。

■リフォーム計画段階で注意すべきポイント

全体のビジョンを明確にする: 古民家リフォームの目的は何か、どのような生活スタイルを実現したいのかを具体的に定義しましょう。例えば、家族のための快適な住空間を作る、アトリエやカフェとして利用するなど、用途に応じた設計が求められます。

予算の設定: リフォームにかけられる予算を事前に決定し、その範囲内で計画を立てることが重要です。予算内で収まるように、必要な作業を優先順位付けしてください。予算は、想定外の出費をカバーするために、10%程度の余裕を持たせることが一般的です。

法的要件の確認: 建物が登録文化財や特定の建築規制の対象となっていないかを確認し、必要な許可や手続きをクリアにしておきましょう。地域によっては特定の改修が制限されている場合があります。

長期的なメンテナンス計画: リフォーム後のメンテナンスを考慮して、耐久性のある材料を選択し、定期的な点検や保守が容易な設計を心掛けることが重要です。

■リフォーム会社を選ぶ際の基準

リフォーム会社の選定基準: 古民家リフォームの経験が豊富な建築家や工務店を選ぶことが重要です。過去の実績があるかを確認してください。

また、古民家(日本家屋)は耐震工事や断熱工事が必須になってきます。構造のリフォームに関しては災害時は命に関わる問題になります。しっかりと工事内容を明確にしてくれる業者を選びましょう。

そして、意外と重要になってくるのがスムーズなコミュニケーションです。補助金を申請する際にリフォーム業者の見積もりが必要になります。場合によっては見積もりの変更をしないと補助が降りない場合もあるので、気軽にコミュニケーションが取れる業者を選んでおくといいでしょう!

まとめ

この記事では、古民家リフォームの費用相場と、予算別で可能な改修作業について詳しく解説しました。

古民家のリフォームは物件の状態によっても異なります。ご自身の予算を元に優先順位を決めて進めてみてください。

壁や床、間取りの変更は自分達でもリフォームが可能です。私たちも、水回りだけをリフォーム会社に任せて間取りの変更や床や壁は自分達でリフォームしました。

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