古民家に住むのは魅力がいっぱいですが、快適な生活を送るためにはちょっとした工夫が必要です。特に、断熱性が問題となることが多いんです。多くの古民家は、壁や天井の断熱材が十分でなく、冬はかなり寒く、夏はじめじめと暑くなりがちです。これが、暖房や冷房の電気代を無駄に増やしてしまう原因になるんですね。
さらに、断熱が不十分だと、家の中の温度がコロコロ変わるため、木材にも悪影響が出てしまいます。湿度がグンと上がると、木が腐りやすくなったり、害虫がわいたりすることもあります。
断熱をしっかりと整えることは、快適に過ごすだけでなく、家を長持ちさせるためにも重要です。
今回は断熱にかかる費用についても具体的に紹介していきます。
■快適な生活環境の確保
古民家は魅力がありますが、断熱性能が低いため、冬の寒さや夏の暑さがそのまま室内に響いてしまいます。もし断熱対策を施さなければ、暖房や冷房をどんなに頑張っても、なかなか快適な温度にはなりません。これが結果として、電気代が高くつく原因にもなってしまうんです。
例えば、冬には窓からの冷気が入り込んできて、ストーブをつけてもつけても部屋が暖まらない…そんな経験はありませんか?夏も同じで、外の暑さが家の中にこもってしまい、クーラーが効かないことが多いです。これでは、一年中エアコンに頼りっぱなしで、電気代もかさんでしまいます。
これを解決するには、しっかりとした断熱対策が必要です。たとえば、壁に断熱材をしっかり入れる、古い窓を二重窓に変えるなどが効果的です。これらの改善をすることで、冬は暖かく、夏は涼しい快適な家になりますし、エネルギー効率も良くなるので、長い目で見れば電気代の節約にもつながりますよ。
■エネルギー効率の向上
断熱性が低い家では、冬も夏も暖房や冷房をガンガンに使うことになりますよね・・・
つまり電気代やガス代がどんどん高くつく原因になるんです。でも、ちょっとした断熱の改修を加えるだけで、これらの光熱費をぐっと抑えることができます。
たとえば、壁の中に断熱材を足したり、窓を二重にするとか。これらは初期投資は必要ですが、暖房や冷房の効率が上がるので、部屋の温度が快適に保てるようになります。すると、エアコンを強くかけなくても良くなるので、長期的に見ればかなりの光熱費が節約できます。
特に、年間を通じて考えると、断熱対策は節約だけでなく、住み心地の向上にもつながるので、経済的にも家庭にも優しい選択と言えます。
その他、田舎暮らしの生活費についての記事もあるので参考にしてみてください。
■健康への影響
寒いところやジメジメした場所に住んでると、カビや結露が出やすくなって、これは健康にもよくありません。でも、ちゃんと断熱対策をしておけば、家の中の湿度や温度を適度に保つことができて、快適で健康的な住まいにすることができます。
例えば、寒い時期は家の中に暖かい空気が逃げないように、そして夏は涼しさを保つように、壁や窓に断熱材を入れます。これをすることで、部屋の中がムシムシしたり、冬に窓がビショビショになるのを防げます。また、カビが生えるのも抑えられるので、アレルギーの心配も減ります。ちょっとした断熱対策で、家も体もずっと快適に保てます。
■建物の保護
断熱をしっかりしておくと、湿気や寒暖差で家が傷みやすいのを防げますので家が長持ちします。特に木をたくさん使ってる古民家では、ちゃんとした断熱があると、家全体がしっかり守られます。
■断熱材の種類と特性
・グラスウール
特徴: ガラス繊維でできた断熱材で、軽量で施工しやすい。
メリット: コストが低く、広く使用されている。
デメリット: 湿気に弱く、湿度管理が必要。
・セルロースファイバー
特徴: 再生紙を原料とした断熱材で、エコフレンドリー。
メリット: 防火性が高く、音の遮断効果もある。
デメリット: 湿気に弱く、防湿シートが必要。
・ウレタンフォーム
特徴: 発泡プラスチックの一種で、スプレー式で施工することが多い。
メリット: 高い断熱性能と耐水性。
デメリット: コストが高く、施工時に専門知識が必要。
・ロックウール
特徴: 岩石を原料とした断熱材で、高温にも耐える。
メリット: 防火性が高く、耐久性に優れている。
デメリット: 比較的重い。
■断熱方法の基本
・壁の断熱
内断熱: 室内側から断熱材を設置する方法。施工が比較的容易。
外断熱: 外壁側から断熱材を設置する方法。建物全体の断熱性能が向上するが、施工費用が高い。
充填断熱: 壁の中に断熱材を詰め込む方法。リフォーム時に効果的。
・床の断熱
床下断熱: 床下に断熱材を敷く方法。床からの冷気を防ぐ。
基礎断熱: 基礎全体を断熱する方法。長期的に効果的だが、施工費用が高い。
・屋根、天井の断熱
天井断熱: 天井裏に断熱材を設置する方法。室内の温度を一定に保つ。
屋根断熱: 屋根全体に断熱材を設置する方法。断熱効果が高いが、施工費用が高い。
床断熱の具体的な費用についても記事があるので参考にしてください。
■断熱改修の費用の見積もり
古民家の断熱改修には様々な費用がかかります。以下に、材料費、労務費、その他の関連費用について詳しく見ていきましょう。
・グラスウール
価格: 約1,000円〜2,000円/平方メートル
適用範囲: 壁、天井、床
・セルロースファイバー
価格: 約2,000円〜3,500円/平方メートル
適用範囲: 壁、天井
・ウレタンフォーム
価格: 約3,500円〜5,000円/平方メートル
適用範囲: 壁、天井、床
・ロックウール
価格: 約1,500円〜2,500円/平方メートル
適用範囲: 壁、天井、床
■断熱工事が高くなる場合
断熱改修には専門的な知識と技術が必要です。費用は地域や施工業者によって異なりますが、以下の点を考慮する必要があります。
・施工の難易度
内断熱と外断熱っていうのがあるんですが、外断熱の方が取り付けるのがちょっと大変で、人件費も高くなりがちです。
特に古民家みたいに特殊な構造の家では、専門的な技術が必要になることもあります。
たとえば、外断熱は家の一番外側に断熱材を施す方法で、これをやると建物全体を暑さや寒さからガードできます。ただ、壁の外側をいじるわけですから、施工が複雑になるんです。
それに、古民家は木の梁や柱が特徴的なことが多くて、それらを傷つけないように注意深く作業する必要があります。なので技術を持った職人さんが必要で、その分コストが上がる場合があります。
・許可費用
地域によっては、断熱を改善するときに許可が必要なんです。それに、その許可をもらうための申請にもお金がかかることがあります。
たとえば、特定の地域では建築基準が厳しくて、外見を変えるような大掛かりな断熱工事をする前に、役所に申請をして許可を得ないといけないこともあります。
この申請には、書類作成や手数料など、ちょっとした費用が発生します。
・検査費用
断熱を直した後、場合によっては検査が必要になることがあります。なので、検査費用も予算に入れておくといいですよ。それから、工事中には思いがけないトラブルが起きることもあるので、念のために全体の費用の10%から20%を予備費として見積もっておくと安心です。
例えば、壁を壊してみたら意外と傷んでいたり、配管が古くて交換が必要になったりすることもあります。そういう予期せぬ出費に備えて、ちょっと余裕を持たせた予算を組むと、工事がスムーズに進みますし、後で焦ることも少なくなります。
■費用を抑えるためのポイント
古民家の断熱改修には多くの費用がかかりますが、工夫次第で費用を抑えることが可能です。ここでは、自己施工のメリット・デメリットと、補助金や助成金の活用について具体的に説明します。
自己施工のメリット・デメリット
自己施工(DIY)によって断熱改修を行うことには、費用を抑える大きなメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。
メリット
・コスト削減
施工業者に依頼する場合に比べて、労務費を大幅に削減できます。
自分で材料を購入し、施工することで、中間マージンも抑えることができます。
・自由なスケジュール
自分のペースで作業を進められるため、仕事や家事の合間に少しずつ施工することが可能です。
・満足感
自分の手で改修を行うことで、達成感や愛着が増します。家族で協力して作業することで、家族の絆も深まります。私は夫婦の中が孵化あまり物件への愛着も沸きました
デメリット
・技術的な難易度
断熱改修には専門的な知識と技術が必要です。不適切な施工は効果が出ないばかりか、建物の劣化を招く可能性もあります。
・時間と労力
自己施工には多くの時間と労力がかかります。特に大規模な改修を行う場合は、長期間にわたる作業が必要です。仕事をしながらの施工となると休日に行うので楽しい反面、結構しんどいです。
・安全性の確保
高所での作業や、重い材料の取り扱いなど、怪我のリスクがあります。安全対策を徹底する必要があります。
■補助金や助成金の活用
古民家の断熱改修に対する費用を抑えるためには、国や地方自治体が提供する補助金や助成金を活用することが有効です。
国の補助制度
・省エネルギー改修補助金
対象: 断熱改修を含む省エネルギー改修を行う住宅
内容: 断熱材の購入費用や施工費用の一部を補助
申請方法: 改修計画を提出し、承認後に施工を開始。完了後に報告書を提出して補助金を受け取れます。
・エコリフォーム補助金
対象: 断熱性能の向上を目的としたリフォームを行う住宅
内容: 断熱材の購入費用、施工費用、設計費用などを補助
申請方法: リフォーム前に申請書を提出し、承認後に施工を開始。完了後に報告書を提出して補助金を受け取れます。
・地方自治体の助成金制度
地方自治体ごとに独自の助成金制度を設けている場合があります。具体的な例をいくつか紹介します。
・東京都「住まいのエコリフォーム助成金」
対象: 東京都内の住宅
内容: 断熱改修費用の一部を助成
申請方法: 事前に申請書を提出し、承認後に施工を開始。完了後に報告書を提出して助成金を受け取れます。
・京都府「省エネルギー住宅改修助成金」
対象: 京都府内の住宅
内容: 断熱改修を含む省エネルギー改修費用の一部を助成
申請方法: 事前に申請書を提出し、承認後に施工を開始。完了後に報告書を提出して助成金を受け取れます。
・北海道「断熱改修助成金」
対象: 北海道内の住宅
内容: 断熱改修費用の一部を助成
申請方法: 事前に申請書を提出し、承認後に施工を開始。完了後に報告書を提出して助成金を受け取れます。
古民家の断熱改修を予算内でやるためには、自分で工事をするのが一つのいい方法です。でも、技術や時間が必要なので、できることだけ自分でやって、難しい部分はプロに任せるのも賢い選択です。さらに、補助金や助成金を使うともっと節約できます。これらの申請には手間がかかるので、事前にしっかりと情報を集めて、早めに手続きを進めましょう。これらのコツを押さえておくと、コストを抑えつつしっかりとした断熱改修が可能ですよ。
■断熱対策をしないメリット
古民家の断熱改修を検討する際には、断熱対策を行わないという選択肢もあります。断熱対策を行わないことで得られるメリットについて詳しく見ていきましょう。
1. 風通しの良さを維持
古民家は伝統的に風通しの良い設計がされており、この特徴を活かすことができます。
・自然換気の効果
古民家は、自然の風を取り入れる工夫がされています。特に日本の夏は高温多湿ですが、風通しの良さを維持することで室内の湿気を逃がし、快適な環境を保つことができます。
風通しが良いことで、カビや結露の発生を抑えることができます。これは、健康的な住環境を維持するために重要です。
・自然冷却効果
断熱を施さないことで、夜間の冷気を取り込みやすくなります。夏場は特に、日中の熱を外に逃がし、夜間は涼しい空気を取り入れることで、エアコンに頼らない自然冷却が可能になります。
・伝統的な美しさの維持
古民家はその独特の建築様式や素材の美しさが魅力です。断熱材を追加することでこれらの美しさが損なわれることがありますが、断熱対策を行わないことで、元の建築美を保つことができます。
・建物の構造を守る
古民家はその構造自体が風通しや湿気管理に優れています。断熱改修によりこれらの構造を変更することなく、建物本来の耐久性や機能を保つことができます。
・コスト削減
断熱改修を行わないことで、大幅なコスト削減が可能です。大きな物件の場合、施工範囲も増えるため数百万円単位で変わってきます。
・初期費用の削減
断熱材の購入や施工費用を抑えることができます。これは特に大規模な古民家では大きなコスト削減となります。断熱改修を行わないことで、他のリノベーション部分に予算を回すことができます。
■断熱施工しない場合の事例紹介
具体的な事例として、岐阜県の古民家に住むAさんのケースを紹介します。
事例: Aさんは、築100年以上の古民家に住んでいます。断熱改修を行わずに住み続けていますが、自然の風通しを活かした住まいを楽しんでいます。
夏の対策: 夏は、朝晩に窓を開けて涼しい空気を取り入れ、日中は障子や簾(すだれ)を利用して直射日光を遮ります。これにより、室内温度を快適に保つことができています。
冬の対策: 冬は、こたつや石油ストーブを使用し、家族が集まるリビングを中心に暖をとります。断熱改修を行わない代わりに、断熱カーテンや厚手の畳を使用し、寒さを和らげる工夫をしています。
経済面: 断熱改修を行わないことで、初期費用を他のリノベーション(例えば、台所や浴室の改装)に充てることができました。また、風通しの良さを活かすことで、夏場の冷房費用を抑えることができています。
■まとめ
今回の記事では古民家の断熱施工についてご説明しました。
メリットやデメリットだけでなく費用面についてもご紹介しました。私は費用を抑えたかったのと、DIYをやってみたかったので自分で断熱工事をやりましたが、この記事を読んでぜひ自分たちに合った選択をしていただけたらと思います。
正解はなく、自分たちが何を求めているのかで判断したらいいと思います。
古民家リノベーションについて予算別にまとめた記事もあるので是非参考にしてください。
【古民家リフォーム】予算100万円でできること!具体例まで紹介