素人でもできる古民家のDIYリノベーションと、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
今回紹介する内容は、私たち夫婦(素人)が実際にDIYリノベーションした場所です!
ぜひ参考にしてみてください。
間取りの変更
作業内容
主に間仕切りを撤去してオープンな空間を作り出すか、新たに壁を設置して部屋を分割します。基本的に古民家は襖で仕切られていることが多いため間取りの変更はやりやすいです。
壁を作る際に、耐震性能を意識して太い柱を入れたり、断熱材を追加することも素人の私たちでもできました。
メリット
自由度が高く、住まいの使い勝手を向上させることができます。
リビングスペースを広くしたり、大きすぎる部屋を小さくしたり、住み心地のいい空間を作ることができます。
デメリット
構造を理解していないと、建物の強度を損ねる危険性があります。壁を壊すのではなく、襖で仕切られている部分で間取りの変更を考えましょう。
大きな間仕切りを撤去する場合、予想以上の手間やコストがかかることがあります。構造を理解しておらず壊してはいけない壁を壊して、修復にお金がかかることもあります。
事例
一例として、あるDIY者が8畳の和室をリビングと繋げるために、古い間仕切りを撤去しました。この作業で部屋全体が一つにつながり、家全体がより広く使えるようになりました。全体のコストは約20,000円で、主に解体に必要な工具と廃材処理費用に充てられました。
和室から洋室に変更
作業内容
畳を剥がし、断熱材や桟を並べた上に合板を張りフローリングを敷き詰めます。また押入れを分解し、本棚や見せる収納にすることで大幅にコストを削減しつつ洋室に変更することが可能です。
メリット
床材に何を選ぶかにもよりますが、古民家の雰囲気を残しつつ現代的なインテリアに合わせやすくなります。私たちは無垢の杉フローリングを使用しました。オイルを塗ることで雰囲気を出しつつメンテナンスしやすい状態にしました。
デメリット
畳の撤去とフローリングの設置には重労働が伴います。私も動画をみながら見よう見まねでDIYをしましたが、思っていた以上に労力がかかりました。また、素人が行う場合、仕上がりにムラが出る可能性があります。「それも味」と割り切ることができればかなりおすすめです!
業者に頼むと50万円以上かかるものが、材料費の7万円で済んだのでお得でした。
事例
DIYで6畳の和室を洋室に変更した家庭では、畳を撤去後に断熱材を敷き詰め、その上にフローリングを設置しました。全工程にかかった費用は約40,000円で、特に断熱性が向上し、冬場の暖房費が削減されました。
壁や天井の変更
作業内容
古い壁紙を撤去後、新しい壁紙を張り直すか、土壁の場合は上から漆喰を塗り、デザイン性のある空間にします。我が家は土壁だったので灰汁(アク)止めのシーラーを塗ってから漆喰を塗りました。漆喰は湿度が高いときに湿気を吸って、乾燥しているときに湿気を吐き出してくれる効果もあるのでおすすめです♪
メリット
壁紙を張り替える場合はコストを抑えながら大きく印象を変えることができます。
漆喰を塗る場合は古民家の雰囲気を残しつつおしゃれな空間を作ることができます。
デメリット
慣れない作業になるので最初は時間がかかると思います。慣れてくると作業時間は短縮できます。
クロスを貼る場合は施工に失敗すると見た目が悪くなりますので、何度も貼り替えをしていると逆にコストが多くかかることになるかもしれません。
漆喰も正しい施工をしないと灰汁が滲み出て見栄えの悪いものになるので施工する際はしっかりと正しい手順で行いましょう。
事例
我が家は10帖の部屋に漆喰を塗りました。シーラーと漆喰と道具を購入して大体20000万円ほどで施工することができました。
断熱材の追加
作業内容: 外壁や床下に断熱材を追加し、保温性を高めます。壁の上から桟を取り付けて断熱材を入れると壁を壊すことなく施工することが可能なのでおすすめです!
メリット
冷暖房効率が向上し、エネルギーコストを削減できます。古民家は湿気がこもらないようにするために通気性の良い作りになっております。壁の内側や床の上に断熱材を施工することで通気性がいい状態で断熱性能を上げることができます。
デメリット
部屋の内側に施工する場合、少しではありますが室内が狭くなります。古民家なので比較的広い部屋が多いとは思いますが、気になる人は控えておきましょう。
しっかりと密閉しておかないと断熱の機能を発揮しないので、施工を丁寧にしないと時間とお金を無駄にすることになります。
事例
私の家はクローゼットを分解して内側に断熱材を入れました。間取りの変更で壁を追加したのでその裏側にも断熱材を施工しました。床には桟を追加し床用の断熱材をはめこみました。10帖の部屋で約2万円ほどの材料費です。これは断熱材飲みの費用です。
断熱材について詳しく書いた記事もあるので是非チェックしてみてください。
古民家の寒さ対策!リフォームなしでできることと断熱リフォームの相場
専門業者に任せた方がいいリフォーム
古民家のリノベーションにおいて、特定の作業は専門的な知識と技術が必要です。ここでは、そのような作業とそれにかかる具体的な費用、さらにはそれぞれの作業におけるメリットとデメリットを説明します。
構造の補強
作業内容: 建物の基礎を固めたり、柱や梁を補強する作業。
具体的な費用: 一般的な家庭用の基礎補強は約300万円から500万円。全体的な構造補強には500万円から1,000万円が目安です。耐震補強は専門家に任せることがおすすめです。
メリット
地震や自然災害に対する耐性を高め、建物の安全性が向上します。
また建物の寿命を延ばし、将来的に大きな修繕費用の発生を遅らせることができます。初期投資をしておくことで大幅にコストを削減できます。
デメリット
高額な初期投資が必要になります。
大規模な工事が必要で、リフォーム中は生活に支障をきたす可能性があるので改修工事が終わるまで入居が難しくなります。
屋根の葺き替え
作業内容: 古い屋根材を撤去し、新しい材料で葺き直す作業です。屋根は雨の侵入を防ぐための大事な工事になります。雨が家の中に入ると木材の腐食の原因になります。木材が傷んでいると、強風や地震の際に倒壊する可能性もあるのでお金をかけてでも修繕しておいた方がいいでしょう。
具体的な費用: 通常、家庭用の屋根葺き替えは約80万円から200万円。特に瓦屋根の場合は200万円以上かかることもあります。
屋根のリフォームに関してはこちらの記事で詳しく紹介しております。
メリット
新しい屋根材により、防水性がよくなり建物を長持ちさせることができます。それだけでなく屋根の隙間や亀裂がなくなることで断熱性も向上しエネルギー効率も上がります。
デメリット
屋根の種類や家の大きさにもよりますが高額なコストがかかります。
また屋根の葺き替えは天候に左右されやすく、工期が延びる可能性があるので住めるようになるまでに時間がかかることがあります。
水回りの新調
作業内容: キッチン、バスルーム、トイレなどの水回り全般を新しくする作業。解体や水道管の工事など素人では難しい作業が必要になりますし、水漏れを防ぐためにもプロに任せた方がいいです。
具体的な費用: キッチンは約50万円から150万円、バスルームは約100万円から300万円、トイレは30万円から70万円で、合計で200万円から500万円の範囲になります。私たちも水回りのリフォームだけで500万円くらいになりました。選ぶグレードによっても前後します。
メリット
最新の設備を導入することで使い勝手が良くなり、生活の質が向上します。水回りの新調は機能面だけでなく衛生面でも安心できます。
また、プロに任せることで水漏れや故障のリスクが減少し、長期的なメンテナンスコストを削減できます。
デメリット
初期費用が高く、お風呂、洗面所、キッチン、トイレ改装の場合は大きな金額が必要となります。私たちも水回り全般をプロの業者に任せましたが約500万円ほどかかりました。
また工事期間中は水回りが使えないため、物件を購入してすぐに住み始めること難しいでしょう
これらのリフォームは専門的な技術を要するため、信頼できる業者に依頼することが必須です。
全国のおすすめのリフォーム会社は下記の記事でご紹介!
古民家リノベーションについて予算別にまとめた記事もあるので是非参考にしてください。
【古民家リフォーム】予算100万円でできること!具体例まで紹介
【古民家リフォーム】予算500万円でどこまでできる?具体例まで紹介
【古民家リフォーム】予算1000万円でどこまでできる?具体例まで紹介
古民家 DIYのメリットとデメリット
メリット
・自分好みの家にできる
DIYリノベーションの最大の魅力は、自分の好みやニーズに完全に合わせた家を創り上げることができる点にあります。どんな素材を使って、どんな部屋にするのかを、すべて自分の意志で選択することが可能です。
プロに全てを依頼する場合には味わえない、DIYならではの雰囲気のある家になります。
・費用を大幅に削減できる
専門業者に依頼すると高額な費用がかかることが多い中、DIYリノベーションでは自分で作業を行うため、人権費を削減できます。さらに、材料を直接仕入れることでコストダウンが可能です。
ホームセンターではトラックの貸し出しもしてくれるので送料も削減できますよ。
例えば和室から洋室にリノベーションしようと思うと、1部屋約50〜70万円の費用がかかりますが、自分でリノベーションをすると材料費の10万円で済みます。
もちろん作業は大変ですし、全部自分達で施工するので時間もかかりますが費用は大幅に削減できます。
デメリット
・思い通りにならない
DIYでは計画通りに進まないこともしばしばです。専門的なスキルや最適な道具や機材がないと、仕上がりの質がプロの仕事と比べて劣る可能性があります。
特に古民家は垂直水平ではないことが多いです。知識や技術がないため、隙間ができたり思い通りに行かずに計画を変更することもあります。
理想とは違う形になることを前提にしておくといいでしょう。
また事前に施工について調べておくことで、対策をすることもできます。
・手間と時間がかかる
DIYリノベーションは、専門業者に依頼する場合と比べて時間がかかる傾向にあります。特に、経験が少ない場合は作業効率が悪く、計画した時間よりも長引くことが多いです。DIY動画を見ているとスムーズに進むイメージが沸きますが現実ではそうはいきません。体力も消耗しますし思い通りに行かずストレスになることも多いです。
実際に住みながら、少しずつ自分のペースでDIYしていくと気持ちも楽ですよ!
まとめ
DIYリノベーションは、これらのメリットとデメリットを理解し、自分の状況に最適な選択を行うことが成功の鍵です。DIYに取り組む際には、十分な計画と準備を行い、必要に応じて専門家のアドバイスを求めることをおすすめします。